2024.08.21

第71回 日本伝統工芸展に初入選しました。

写真は第71回日本伝統工芸展ホームページより引用

友禅着物 作品名『翆波』
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芭蕉をモチーフにした糸目友禅の作品です。

京都相国寺承天美術館所蔵の伊藤若冲の水墨画『月夜芭蕉図』にインスピレーションを得て意匠化しました。
風雨にさらされると葉脈にそって裂けてしまう芭蕉の葉が風に大きく揺れる様と、海原に白波が立つ様とが重なり、翆(みどり)の波『翆波』と名付けた作品になりました。

葉は胡粉(白)と清涼感があるグリーン色で、裂けた葉を一枚一枚に胡粉ぼかしを施し、着物全体を裾から肩に向かってグラデーションしました。
糸目は二色の色ゴム糊を使用し、葉の輪郭と葉脈を使い分け、防染の役割と挿し色と糸目の色の調和を意識しました。
光を感じるよう、葉先に金線をあしらいました。

作品創りで重視していることの一つが“季節感”です。素材(生地)と図柄と色彩が相乗して、その季節を醸し出したいと考えて、『翆波』は初夏を表現した作品です。

使用した素材(生地)は“駒紗”。薄手だけれど透け過ぎずさらりとした肌感で、地色は爽やかに薄色で染めました。
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